しまもん 

モンスターラボ島根開発拠点のブログ

RubyKaigi 2022 に行ってきた【後編「Kaigiの醍醐味は廊下(廊下?)」の巻】

はすみきん ・2022-10-03

(前編はこちら

 

Why's (Poignant) Guide to Ruby という本をご存じでしょうか? Why氏によって書かれてインターネットに公開された、Rubyの入門書です。

 

オリジナルのWebサイトは消えてしまったようですが、フォークされたものが存在しますし、日本語版『ホワイの(感動的)Rubyガイド』もあります。

 

(私の理解では)Why氏はもともとは本名を明かさずに活動していたこと、ある日突然にインターネットから姿を消したこと、それ以来コミュニティには彼を見かけた人がいないこと、などの逸話をもった謎めいた人物です。

 

Why氏は、一般にはプログラミング言語が生まれそうもない日本という国で生まれた言語であるRubyを「コンピュータ言語ではなく、プログラマ語(coderspeak)」であると言い表し、たくさんのマンガと意味不明なサイドストーリーを織り交ぜながら、並々ならぬ愛情をもって『感動的ガイド』を書きました。

英国からやってきた

なぜ『感動的ガイド』の話をしているかというと、9月に三重県の津市で開催されたRubyKaigi 2022に、ギー(Gui) @anthrolanguage がロンドンからやってきて、この本の最新版のコピーを私にプレゼントしてくれたからです。

このコンテンツは(たぶん)2000年代のはじめころに公開された当初からクリエイティブコモンズだったため、出版するのに著者の許可は不要で、過去に何度か印刷されたことがあるようですし、PDF版も出回っています。 今回プレゼントしてくれた本は、2020年にBrightonのRubyコミュニティによって刊行され、ことし(2022年)に重版したものだそうです。

 

ギーは来日するにあたって、TwitterのDMで「Matzは今でも島根に住んでいるのか」「Ruby Associationのキーパーソンはだれだ」という質問を私にくれました (回答は順に、 "住んでるよ" 、"前田さんだよ" です)。

 

どうやらこの2人にインタビューするため、松江へ来るつもりのようです。

 

彼はロンドンの大学でコンピュータ・サイエンスを教える傍ら、Rubyコミュニティについて研究しているそうです。 プログラミング言語のコミュニティが研究対象になるというのも新鮮な話ですし、しかもRubyコミュニティに焦点を当てているというのは、聞き捨てなりませんね。

RubyKaigi → Asakusa → Matsue → Kyoto

ギーとはそれまで会ったこともしゃべったこともなく、なんとなしにTwitterで相互フォローしていたという関係です。 2022年9月はCOVID対策による入国制限がぎりぎり残っていた時期なので、本当に来日するのだろうかと思っていましたが、果たして本当に来ました。

 

RubyKaigiの会場で挨拶して、松江での再会を約束しました。 松江へ来る前には東京に滞在し、AsakusaあたりのRubyistとスキヤキを食べるなどしたようです。 松江は酒の街だと聞かされてきた、とのことでした。

 

ギーの松江での最初の夜に弊社メンバーを巻き込んで食事会を開きました。

私が翌日から帰省の予定だったので、まつもとさんや前田さんへのインタビューが首尾よくできたかについてはちゃんと聞けていません。松江の後には京都へ行ったようです。

なぜRubyコミュニティを研究しているのか?

気になりますよね。聞いてみました。

 

曰く、「日本のRubyコミュニティはユニークなんだ」「規模が大きいのに、ひとつにまとまっているように見える」「Pythonの作者はオランダ人だけど、オランダには日本のRubyコミュニティに相当するようなPythonコミュニティは存在しないし、」「Luaの作者はブラジル人で、やはりコミュニティと言えるようなものはない」「(Pythonもそうだけど)JavaScriptのコミュニティはすごく(Rubyの何倍も)大きいけど、とくに主要なコミュニティはこれである、と言えるようなまとまったひとつのものが見当たらない」——だそうです(聴きとりを間違えているところがあるかもしれません)。

 

以上の言葉からなんとなく思い当たること、みなさんにもあるだろうと思います。各自反芻してみてください。

 

研究がまとまったら読ませてね、という約束をギーと交わしました。それが届いたらまたここで(あるいはどこかで)報告します。たぶん。

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