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モンスターラボ島根開発拠点のブログ

[地方在住 Advent Calendar 2021] 松江について

はすみきん ・2021-12-08

おはようございます。2021年「地方在住アドベントカレンダー」8日目の朝です。

 

2014年に東京から島根県松江市に移住しました。 松江について、ほとんどの日本人がなにも知らないので、お教えしましょう。 個人の感想です。

土地柄、気候について

松江は、日本海に面した山陰地方の都市です。 人口は約20万人です。台東区よりちょっと少ないくらいです。 日本人は以下のいずれかの誤解をもっていることが多いです:

  • 山陰地方は、北日本である(よって寒い)
  • 山陰地方は、南日本である(よって暖かい)

どちらも正確であはありません。 どちらかと言えば前者の認識のほうが実態に近いですが、松江市の緯度は、横浜市とほとんど同じです。

 

冬は寒いです。 緯度は高くありませんが、大陸の寒気が近づきやすいので、日本海側の冬は寒いのです。 ただし気温が低いというよりも、冬に晴れない、という要因のほうが「寒い感じ」を強めます。 東京の冬がカラッカラに乾いているのと対照的に、松江の冬はだいたい曇っています。 東京の降水確率30%なら「まあまあ降らないだろう」と思いますが、松江が30%なら「きょうは降る」と思います。 お陰で、ハンドクリームの消費量が大幅に減りました(当社比)。

 

山陰地方が南日本である、という認識の人は少数ですが、過去に何度か見かけました。 彼らは、日本列島が南北に延びているという思い込みが強いのでしょう。

食べ物について

美味しいです。 しかし、日本の地方都市はだいたいどこでも美味しい食材や郷土料理があります。 よく地方の県職員が「当地はコメどころで、酒どころです」のように言いますが、酒どころではない県なんて沖縄と鹿児島くらいです。 こういう言葉を安易に信じてはいけません。 もう少し正確に細かく見ていきましょう。

 

日本海と言えば、まずは海の幸です。 日本海側ならどこでも海の幸が常に最高かというと、そうでもなく、ちょっと濃淡があります。 筆者が検索エンジンだったら、「日本海 海の幸」の検索結果のトップには富山、2番目には福岡を出すでしょう。 漁場や市場や流通や消費量や料理文化など複雑な要素によって成立していることなので、唯一の答えなどありませんが、まあそんな感じです。

 

もちろん山陰の魚は美味しいです。 夏は岩牡蠣が有名で(美味しいで)すが、白バイ貝が最高です。 冬はノドグロが有名で(美味しいで)すが、なんでも美味いです。

 

あとはイカですね。山陰での呼びかたで「白イカ」というやつがよいです。 山口県や福岡県あたりだと、さっきまで泳いでいた剣先イカ(諸説ありますが、白イカと同じか、親戚くらいの似たイカです)を半透明なコリコリの刺身で食べさせるのを名物にしているお店があります。 でも本当は、(なんなら冷凍して)熟成させたほうが旨味が多いです。

上の写真はカニです。 ズワイカニの主要な産地は、東が福井から西は鳥取までの範囲です。 松江で食べられるカニは鳥取のおこぼれです。 でも美味しいです。

お酒について

海の幸に関しては富山と福岡にトップを譲りましたが、酒に関しては一歩も譲りません。 山陰(鳥取と島根)こそが、最高の日本酒の生産地です。繰り返しますがすべて個人の感想です。

 

筆者が好むタイプのお酒を説明するのは難しいので、好まないタイプのお酒を説明します(ザワザワ...)。

 

淡麗辛口、というのは筆者の父くらいの世代が好んだタイプのお酒です。 このタイプは一般に、搾ったお酒を活性炭で濾過しているので、雑味がなく、その代わり旨味もありません。 というか不自然な苦みを感じることさえあります。 日本酒本来の山吹色も吸着されて、無色透明になってしまいます。

 

フルーティなお酒、というジャンルもあります。ヒデ(誰)が好きそうなタイプです(偏見)。 モロミ発酵の段階でコメ由来の糖分を発酵させきらずに甘さを残しており、吟醸香の出やすい酵母を使用しています。 冷蔵してワイングラスで飲んだりしますね。 こういうお酒を温めると、ムワっとします(←温める奴が悪い)。 二日酔いもしやすいです(←飲み過ぎるのが悪い)。

 

しつこいようですが、以上すべて筆者の偏見です。 炭素濾過が品質の安定に寄与することはわかりますし(要は程度問題)、フルーティなお酒が初心者の入り口によいことも重々承知しています。筆者もデザートワインとして飲むことがあります。 すべて存在価値があります。

 

松江の一番すごいところは、淡麗辛口でもなくフルーティでもなく二日酔いしにくいお酒をちゃんと飲ませる飲食店がたくさんあることなのです。この点では日本随一の街であること、これは断言できます。

 

淡麗辛口でもなくフルーティでもなく二日酔いしにくいお酒に興味のある方は、来週のRubyWorld Conference 2021にあわせて松江へ来てください。 打ち上げの二次会くらいからいっしょに飲みましょう。 ではまた。

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